多胎育児の支援はまだ薄すぎる~三つ子母有罪判決に思うこと~

育児

三つ子のママがワンオペ育児の末に育児ノイローゼとなり11か月の我が子を一人死なせてしまった事件で有罪判決が出ました。

そのニュースがこちら。

「三つ子の育児、背負い込んだ母 泣く子を投げ落とした夜」

朝日新聞デジタルの記事で、無料会員でも全文読めます。

この記事では、不妊治療の末に授かった三つ子であったこと、両親は飲食店経営で負担をかけられなかったこと、育児休暇を取ってくれたはずの夫が使い物にならなかったこと、行政があてにならなかったことが書かれています。

そこで、今日のブログでは多胎育児で必要な支援について、双子ママとして感じたことをまとめてみたいと思います。

夫は「できることで妻を支援する」という気持ちを持つ

この記事を読むと、夫が途中で育児参加を辞めてしまったことが分かります。

なぜ辞めたのでしょうか。

その答えは、

「 5月に半年間の育休を取得した夫が待つ自宅に戻った。おむつの取り換えに失敗したり、だっこをすると子どもが泣いたりする夫を、次第に頼らなくなった。」

という一文にあります。

夫はおそらく、おむつ替えもうまく行かないし、抱っこしても泣かれることにストレスを感じていたのでしょう。

妻は、その様子を見て「乳児3人もいるのにこの人の世話まで焼けない。もういいわ、私がやる」という思いに至ったんだと思います。

頼られるのを辞めた夫は、「俺がやってもしょうがない、なら仕事頑張ろう」くらいに思ったのかもしれません。

でも、夫ができる仕事はおむつ替えや抱っこだけじゃないんです。

育児に直接的に関わって難しいと思ったら、他のことを夫がやればいいんです。

育児以外の家事とか、山ほどありますよ。

洗濯とか掃除とか、料理とか買い物とか、自分ができることたくさんありませんか?

ファミサポの申し込みだって、夫がすればよかったんです。

お母さんじゃないとできないってどこにも書いていないでしょ?

それに、仮に家事ができなかったとしても育休取ってる間に自分の親に聞いてでも覚えたらいいんです。

でも、たぶん夫はそれをしなかった。

だから、妻は追い詰められたんだと。

我が家は幸いなことに夫も舅もとても協力的で、舅さんに至ってはご飯を買ってきてくれたり、できる家事をやってくれたり、と舅さんができることをたくさんしてくれました。

夫は忙しい中で家族サービスしてくれようと頑張りすぎて倒れましたくらいです。

育児以外のことはしなくてもいい状況を整えてもらっていたので、双子プラス娘の面倒は基本ワンオペでもなんとかできていました。

夫も舅さんも「できることを手伝おう」という気持ちがあったから、育児より家事を率先してやってくれたと思います。

世の中のお父さん方は、「育児を手伝おう」とするから失敗するんです。

まずは「自分ができることで妻を助ける」という気持ちを持って、育児に関わるのが大事じゃないかと思っています。

行政の支援は不親切

地域によるかもしれませんが、行政の支援は基本的に不親切です。

「あなた方から来てくれたらやりますよ」が基本スタイルじゃないかと。

今回も相談したのに渡されたのは冊子のみ。

ファミサポのことを教えてくれたものの、三つ子連れて申し込みに行くことは難しく断念しています。

私も、双子を妊娠した時には多胎育児の冊子をもらったのみです。

そこに書いてあった双子サークルに連絡して入ったのは3か月くらいでしたが、多くのお母さんはもっと大きくなってからの参加でした。

だって、連れてくるの大変だから。

育児の情報はネットで検索するっていうのも今は主流ですが、ミルクあげるのに1日24回以上もかかっていて、さらにおむつ交換、お風呂、着替えと、育児だけでも相当な時間がとられます。

そんな中でネット検索できると思います?

おそらく無理でしょう。

SNSでのつながりも、つながる時間があるからできるのであって、このお母さんにできる時間があったとは思えない。

行政は、もっと子育て支援については柔軟な対応を考えてほしい。

私の住む地区には、民生委員が赤ちゃんが生まれた家に訪問してきますが、1回きり。

初めて会った相手に軽々しく相談はできないし、「何かあったら相談して」と言われても…って気持ちになるんですよ。

たとえドアを開けなくても、メモでも残してくれれば「気にかけてもらえる」と孤独感が少し和らぐんですよね。

でも、民生委員も義務的に来るくらいなら来なくていいですけど。

なにより行政の支援が不親切だと思うのは、基本的に「行かないと申請できない」こと。

ファミサポだって、一番必要な時に申請に行くのが大変すぎて利用できないという声はSNS見たら山ほどあります。

もし、申請時に訪問してくれるサービスがあったら、このお母さん助かったんじゃないかな。

他にも、不親切なことはたくさんあるんですけど、何より相談受ける人に多胎育児の大変さを分かっている人が少ないことも原因だと思うんですよ。

中には、悩みを丁寧に聞いてくれて親身になってくれる人もいます。

でもそんな人は本当に稀。

相談する人が不親切すぎて、いろいろ諦めるって人も本当に多いです。

これは、育児だけに限ったことではないんですけどね。

だから、行政はもっと柔軟な対応ができるようにすべきだし、相談する人には多胎育児の経験がある人や専門家で相談員としての資質がきちんとある人を良く見極めて採用してほしい。

正直、行政の不親切さは今回の事件の一因といっても過言はないと思います。

悲しい事件を繰り返さないためにも早急な多胎育児支援体制を強化してほしい

今回の事件は、いくつもの不備が重なった結果起こってしまったものと思います。

もし夫が違う形で支援していたら、行政の支援が手厚かったら、起こらなかったかもしれない。

民間レベルでは少しずつ多胎育児の支援は増えてきていますが、それもまだわずかだし周知が行き届いていない。

行政が全てを担うのは難しいけど、今ある情報を集めてお母さん方に提供することはできる。

今の不親切な窓口対応だって、本気になれば変えることができるはず。

母親だけでなく、父親の支援も大事。

多くの父親は育児がどんなものなのか、どれくらい大変なのか、想像がつかない。

何をしていいのかさえ分からない。

そういう情報を提供したり周知することも大事。

こんな悲しい事件で有罪になって本当に本当に心苦しい。

こんな事件を繰り返さないためにも、早急に支援体制を整えてほしいと心から思っています。

※トップ画像はJerzy GóreckiによるPixabayからの画像です。

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この記事を書いた人
中村楓

山口県在住の介護福祉士&介護ライター。
わかりやすい言葉で誰にでも理解しやすい文章を書くのがモットー。
双子を含む3人の子育て真っ最中。
双子は口唇裂+口唇口蓋裂。
hide&X-JAPAN愛はすさまじい。

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介護専門ライティング事務所『楓和堂』

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